PHONE IS / AUGUST 2026 — DECISION MEMO

電話IS 8月施策 論点整理
「率」をどう上げるか — 6案の位置づけ

7月のアポ減の主因は架電量ではなく最終段(通電→アポ)の劣化。したがって8月の主戦場は「率」。ただし率は 人 × リスト × 会話 の積なので、打ち手は人への3案(①②③)だけでなく人以外の3案(④⑤⑥)がある。本命は②(高橋さん・中間層の引上げ)/最速は④(リストの入替)、③は9月の論点。

作成 2026-08-03 加藤(IS Mgr)× 髙橋 やり取りの整理 対象期間 6月・7月(一部5〜7月) n=4(うち1名離脱・1名8月末離脱予定)
7月アポ
34
6月48件から −29%
稼働時間
132.5h
134.0h から −1%(ほぼ横ばい)
通電 → アポ
17.5%
6月23.4% から −5.9pt
減少14件の主因
約75%
下げ要因のうち最終段の寄与
8月の打ち手
6案 / 本命②
最速④
③は9月論点・⑤は計測から
01
SECTION 01

前提の確認 — 落ちたのは量ではなく最終段

アポは 架電数 × 通電率 × 通電→アポ率 の掛け算。与えられた変化率(架電−8%/通電−5%/通電→アポ 23.4%→17.5%)を順に掛けると 48件 → 34件がぴったり再現できる。つまり「主因は最終段」は仮説ではなく分解として確定した事実。8月の打ち手をどこに置くかは、この1枚で決まる。

0件 50件 48.0 6月 実績 稼働 134.0h −3.8 架電量 −8% 量の寄与は小さい +1.4 通電率 わずか改善 架電−8%>通電−5% −11.5 通電→アポ 23.4→17.5% 下げ要因の約75% 34.0 7月 実績 稼働 132.5h(−1%) 48.0 × 0.92(架電)× 1.03(通電率)× 0.748(通電→アポ)= 34.0 = 与えられた数字だけで完全に再現できる

この分解が示すのは「量を戻しても戻らない」ということ。稼働はほぼ横ばい、通電率はむしろ微増しているのに、通電できた相手をアポにできる比率だけが落ちている。したがってCPH(1時間あたり架電数)は改善対象ではなく、守るべき床として扱うという整理が成立する。

02
SECTION 02

合意された3層 — 配分 / 率 / CPH

やり取りの中で合意された骨格。3つは同列の選択肢ではなく、効き方と時間軸が違う3つの層。この順序が崩れると「CPHを上げて埋める」という逆算に戻ってしまう。

LAYER 1 — 最も速い

配分

リストとシフトを、率の高い人に寄せる。
  • アポ率という主因に直接効く
  • 誰かのスキルが伸びるのを待たない
  • 今月中に着手・回収まで可能
8月の主戦場
LAYER 2 — 時間がかかる

率(個人の能力)

松本さんの通電率とアポ化率の改善。
  • CPHをいくら上げても直らない領域
  • 必要な変化率が +119%=1か月では動かない
  • ただし稼働の49%を持つため中長期では避けられない
中長期の必須課題
LAYER 3 — 上げる対象ではない

CPH

1時間あたりの活動量の基準。
  • 床(18)を割ったら「速度」ではなく「時間の使い方」を見る
  • 天井(26)を超えたら率を点検する
  • 上げれば埋まる指標として扱わない
床として守る(KPI化は保留)
03
SECTION 03

「率」の打ち手マップ — 人だけが選択肢ではない

当初の3案(①②③)はすべて「人」への打ち手だった。率は 人 × リスト × 会話 の積なので、人を動かさずに率を動かす経路が3つ残っている。6案を経路別に並べると、8月にやるべきものが自然に絞れる。

通電 → アポ率 17.5%(6月 23.4%) = 誰が架けるか リスト 何を配るか 会話・設計 どう当てるか × × ① 松本さんのボトムアップ ② 高橋さん・中間層の引上げ ③ 人の入れ替え ④ リストを替える ⑤ 再コールの設計 ⑥ アポの先(着席率) 補助 — 中長期。+119%は1か月で動かない 本命 — 架電50%を持つため効く絶対量が最大 8月は不可 — 採用が先。9月の論点 最速 — 誰の努力も変えずに動く。今週可能 計測から — 測れば打ち手になる 未着手 — アポ率と等価。並行で着手
8月に実行する 並行・準備・中長期 8月には不可(9月論点)
04
SECTION 04

人への打ち手 — ①②③の評価

OPTION 01

松本さんのアポ率を改善する

ボトムアップ。効果量の伸びしろは最大だが、8月には間に合わない。
  • どの調整でも最下位。流入元を揃えても、経過日数を揃えても、全員が100件以上かけた同一リスト内でも 4.49%(松井 10.00%・p=0.041)
  • しかも最も新しいリード(中央値21日)を引いてこの水準。リストの不利では説明できない
  • 必要な変化率が +119%。1か月で動く幅ではない
  • 一方で 61h=電話稼働の49% を持つため、絶対量の伸びしろは全案中最大
補助にはなるが本命にならない/中長期では避けられない
OPTION 02 — 本命

取れている人をもっと上げる

高橋さんとトップ・中間層の引上げ。同じ率改善で効く絶対量が最大。
  • 高橋さんは架電の50%を持つ。1pt の率改善が最も大きな件数になる
  • 8月は 44h(7月51hより −14%)。7月の低下要因が「19h→51hで量を3倍にした密度低下」なら、負荷が戻る分だけ有利
  • 松井さんは20hしかなく絶対量は小さいが、8月末で抜けるため今月しか取れない
8月の本命。ただし「密度低下」は仮説(後述)
OPTION 03

松本さんを入れ替える

教育以外の選択肢。8月には間に合わないが、9月の論点としては避けられない。
  • 松井さんが8月末で離脱予定。ここで松本さんも入れ替えると9月に残るのは高橋さん1人(44h・15.7件)=目標の44%
  • 入れ替えるなら採用が先。現状は順序が逆になっている
  • ただし 61h × 0.115件/h という構造が続く限り、率か人か量のどれかを動かさないと構造的に届かない
8月は不可。9月に向けて採用を先行させる判断が必要

同一条件下でのアポ化率(全員が100件以上架電した同一リスト内)

流入元・経過日数を揃えた上での比較。松本さんの低位はリスト条件では説明できない。

松井さん
10.00%
松本さん
4.49%
差は約2.2倍(p=0.041)/松本さんは中央値21日=最も新しいリードを引いている

9月の人員構造リスク(③を8月に実行した場合)

松井さん離脱に松本さんの入替が重なると、9月の供給が目標の半分を切る。

7月 実績(4人)
34.0件
9月 目標(想定)
35.7件
9月 高橋さん1人
15.7件
目標の44%。採用を先に決めないと③は選べない
05
SECTION 05

人を動かさずに率を動かす — ④⑤⑥

ここが今回のやり取りで最も価値が大きい追加。④は誰の努力も変えずに今週動く。⑤はまだ打ち手ではなく計測課題。⑥は誰も手をつけていない未開拓の領域で、KGIが商談実施数ならアポ率の改善と等価。

OPTION 04 — 最速

リストを替える

「誰に配るか」ではなく「何を配るか」。判断だけで実行できる。
  • 61日超リードを架電対象から外す。通電率 1.96%(他の1/5)で 102件が実質死んでいる
  • 流入元の構成を変える。Youtube 14.84% ⇔ Youtube624~ 6.70% で 2.2倍(p=2.48e-03)
  • 誰の努力も変えずに率が動く。前者は今週できる
今週着手。8月で最もコストの低い打ち手
OPTION 05

再コールの設計

初回で取るか再コールで取るかは能力ではなく設計の問題。ただし今は測れていない。
  • 6+7月で 1.56回/リード。使い方が人によって違う
  • 高橋さんは延べ通電152件のうち 62件(41%)が再コール由来
  • 初回と再コールで率がどう違うかを測っていないため、いまは打ち手として出せない
8月は計測設計まで。測れば9月の打ち手になる
OPTION 06

アポの先(着席率)

KGIが商談実施数なら、アポ率を上げるのと着席率を上げるのは等価。誰も手をつけていない。
  • 電話の着席率は5〜7月計で 63.2%、チャットは 76.2%13pt 低い
  • 電話をチャット水準に寄せると +2件前後
  • ①②より小さいが、アポを1件増やすより取れたアポを1件着席させるほうが安い可能性
並行で着手。効果は小さいが単価が安い

④-1 リード経過日数と通電率

61日超は他の約1/5。102件が架電されているが実質機能していない。

61日以内(概算)
約9.8%
61日超
1.96%
対象から外すだけで平均率が上がる/今週実行可能

④-2 流入元による差

同じ工数でも、どの流入元を配るかで2.2倍の差が出る。

Youtube
14.84%
Youtube624~
6.70%
2.2倍(p=2.48e-03)/配分ルールの見直しで吸収できる

⑥ 着席率(5〜7月計)

アポを増やす前に、取れたアポを商談にする経路が13pt空いている。

チャット
76.2%
電話
63.2%
13pt差 → チャット水準に寄せると +2件前後
06
SECTION 06

意思決定マトリクス — 6案の一覧

打ち手 主因(最終段)への直接性 速さ 8月の効果量 前提・制約 8月の扱い
① 松本さんの
ボトムアップ
(電話稼働の49%を保有) 遅い 必要変化率 +119%。同一リスト内でも4.49%で、リスト条件では説明できない 補助・中長期
② 高橋さん・
中間層の引上げ
(架電の50%を保有) 速い 最大 「密度低下」は仮説(n=2・稼働19h→51hと交絡)。8月44hで負荷は戻る 本命
③ 人の入れ替え 間に合わない 0 採用が先で順序が逆。松井さん離脱と重なると9月は高橋さん1人=目標の44% 9月の論点
④ リストを替える (通電率・アポ率の両方) 最速(今週) 判断だけで実行可能。61日超102件の除外と流入元構成の見直し 即実行
⑤ 再コールの設計 計測待ち 未知 初回と再コールで率を分離計測していない。測るまで打ち手にならない 今月は計測設計
⑥ 着席率 別ライン(アポの先) +2件前後 誰も未着手。電話63.2% ⇔ チャット76.2%。リード質差の切り分けが必要 並行で着手

効果量だけで並べると①が最大(稼働49%)だが、8月という時間軸を入れると②と④に絞られる。①は「8月にやらない」という判断であって「やらない」ではない点が重要。9月以降は①か③のどちらかを必ず動かす必要がある。

07
SECTION 07

8月の組み立て — 4つの時間軸に割る

同時に6つは走らせない。今週動くもの(④)/今月の主戦場(②)/並行で仕込むもの(⑥⑤)/9月に向けた判断(③①)に分けて置く。

THIS WEEK

④ リストの整理

61日超102件を架電対象から外す。流入元構成(Youtube ⇔ Youtube624~)の配分ルールを見直す。判断だけで動き、誰の努力も変えずに率が上がる。

THIS MONTH — 本命

② 高橋さん・中間層の率

高橋さんは架電の50%を持ち、8月は44hで負荷が14%軽い。ここに率の改善を集中させる。松井さんは8月末離脱のため今月で刈り取る。

IN PARALLEL

⑥ 着席率 / ⑤ 計測設計

⑥は電話63.2% → チャット76.2% の13ptを埋める。未着手なので伸びしろが読める。⑤は初回/再コールの率を分離して測る仕組みを作るところまで。

SEPTEMBER

③ 採用の先行 / ① 中長期設計

松井さん離脱で9月は構造的に足りない。③を選ぶなら採用が先。①は+119%を1か月で狙わず、四半期の課題として設計する。

この割り方の意味は「率が主戦場」という結論と打ち手の向きを一致させること。7月時点の整理では結論が率にあるのに打ち手がCPHだけだった。④②⑥はすべて率に直接効き、CPHは床としてのみ運用する。

08
SECTION 08

残っている論点 — 実行前に潰すもの

打ち手の順序は妥当。ただし以下は数字の解釈がまだ確定していないため、施策の根拠として置く前に処理が必要。特に上2つは②の設計に直接影響する。

1. 「密度低下」は仮説であって根拠ではない

②を本命に据える理由として「19h→51hで量を3倍にした密度低下」が使われているが、これは n=2 の観測で、しかも稼働3倍という役割激変と交絡している。②が本命な理由は「架電の50%を持つ=効く絶対量が最大」という構造の話に置いたほうが崩れない。8月44hで率が戻らなかった場合、仮説側に立つと打ち手が消えてしまう。

2. CPHの分母(稼働h)の定義が未確定

分母に非架電業務が混ざっている可能性が自認されている。この状態で CPHをKPIに置くと、天井26を「警戒線」と定義した意図とは逆に「上げるほど良い」と運用される。8月はCPHを床としてのみ使い、定義の1本化を先に片づける。松井さんの「1件3.2分→5.3分」も、古荘さん離脱の穴埋めが稼働hに混入しただけで説明がつく余地が残っている。

3. KGI(電話の必要商談数)が未確定

②の目標値をまだ数値で置けない。ここで「チャット40件を固定して電話は残差」という置き方をすると、指摘されていた逆算の罠(歩留まりが落ちた分を量で埋める)がKGIレベルで再発する。電話側の供給能力(稼働h × CPH × 歩留まり)から積み上げた上限を先に出し、残差と突き合わせる形にする。

4. 松本さんの4.49%は「入替」の根拠にはまだ足りない

p=0.041 は有意水準を満たすが、n が小さく1か月の観測。③という不可逆な判断の根拠にするには8月の追加観測が要る。逆に①(改善)の判断材料としては十分なので、8月は①を走らせながら同じ条件で観測を積み、9月に③を判断する順序が安全。

5. ⑥の13pt差はリード質の差かもしれない

電話63.2%とチャット76.2%の差は、着席オペレーションの差ではなくそもそも電話とチャットで入ってくるリードの温度が違うことの反映という可能性がある。施策化の前に、同じ流入元・同じ経過日数で比較して切り分ける。切り分けずに「チャット水準に寄せる」と目標を置くと未達が確定する。

6. ⑤は8月中に測り切る設計を先に決める

「測れば打ち手になる」で止めると来月も同じ状態になる。初回/再コールのどちらでアポが立ったかを記録する項目を、今週のうちに架電記録に足す。高橋さんの41%が再コール由来という数字は、設計を変える余地が大きいことを示している。8月末に判断できる状態を作るのが今月のゴール。
実行前に潰す(②に直結) 施策と並行して切り分ける 今週の仕込みで解決する